春爛漫・今だけのトリュフ
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dari K to the World
ブログ

本当にフェア?

本日はフェアトレードの幻想Part 2について書きたいと思います。
皆さんはフェアトレードのものを何か購入した経験が
ありますでしょうか?チョコレートでも、コーヒーでも
何でもいいのですが、フェアトレード製品を買うかどうかで
迷ったとき、買うにしろ買わないにしろ、一番ネックに
なるのは何でしょうか?
ズバリ、お値段ではないですか?
フェアトレードが望ましいのは分かるけど、
フェアトレード製品とそうでない製品の価格差が大きいと
「うーん、どうしよう」ってなっちゃいますよね。
例えばスーパーで売っている100円の板チョコと300円の
フェアトレードの板チョコ。同じ板チョコなのに、
フェアトレードというだけで値段が3倍に!
そりゃフェアトレードのチョコレートの味が
そうでないものの味より比べ物にならないくらい
美味しかったら話は別ですが、そこまで味の差がないときに
やはり3倍の値段を払うのって、「う~ん、どうしよっかな~」
となってしまっても当然だと思うんです。
私自身、悩みます。その差が例えば30円とか50円とかなら
「フェアトレードだし、こっちにしよう!」となるのですが
それがフェアトレードでない製品の倍以上の価格になると
ちょっと悩みますよね。
さて、今回はフェアトレードをこの価格の面から考えてみようと
思います。先の例でいくと、普通の(フェアトレードではない)
板チョコが100円で、フェアトレードの板チョコが300円でした。
消費者がフェアトレードの商品に払う上乗せ(フェアトレード・
プレミアム)はその差額の200円(300円-100円)となります。
話を分かりやすくするために、具体的な数字を使って
考えていきますね。
カカオの市場価格(取引価格)が仮に1キロ400円とします。
1枚の板チョコ100グラムにカカオが50グラム使用されて
いるとしたら、この板チョコのカカオの原価は50グラムなので
(400円/1000g)×50g=20円となります。
フェアトレードでは、市場価格に20%上乗せした価格で
カカオ農家からカカオ豆を買い取っているとすると、
通常であれば板チョコ1枚分20円で買い取っていたものを
20%の上乗せがあるので24円(上乗せは20円×20%=4円)となります。
ここで、ですよ。
消費者は、フェアトレードのチョコレートを買う場合、
そうでないチョコレートに比べて200円多く払わなければ
ならなかったですよね。
それでも、実際にフェアトレードが農家の所得に直接
及ぼす影響って上乗せ分の4円です。
あれ、200円-4円=196円はどこにいっちゃったの?
これが私がフェアトレードに対して腑に落ちないというか
すっきりしない点なんです。
もちろん、フェアトレードは農家への販売価格(市場価格)の
上乗せという直接的なものだけでなく、農家のコミュニティを
良くするために学校建設や医療施設を作るための資金源と
なったり、低農薬化・無農薬化の指導・援助にかかわるコスト
負担だったりと色々あるとは思います。
それに、一般のものと比べて流通量が極端に少ないため、
大量生産・大量流通ができずに、規模の経済が働かないため
コストが通常よりもかかるのもわかります。
それにしても、です。消費者は200円分のフェアトレード・
プレミアムを負担するのに、農家への直接的な所得還元が
4円ということになると2%だけなんですよね。
よくよく調べてみると、残り196円はどこに行くかといえば
フェアトレードだという認証を与える認証機関(これに
認証してもらえることで、そのマークを使える)の
認証料だったり、かわいいパッケージをデザインしてもらうための
デザイナーへの費用だったり。
う~ん、難しいところです。確かにしっかりした認証機関が
フェアトレードの認証をしているから、消費者はそれを信頼して
フェアトレード商品を買えるわけだし、いくらフェアトレード
と謳っていても、パッケージが可愛くなくては、高いお金を
出して買う気になるかと言われると・・・となってきます。
それにカカオ農家の方への所得向上効果がたとえキロ当たり
4円だとしても、それはそれまでの市場価格の2割増しなので
インパクトが大きいか小さいか、と言われれば絶対大きいはずです。
もしこれを、消費者が払うフェアトレード・プレミアムが
200円なんだから、農家の人にはその半分の100円くらい
多く払うべきだ、となると、市場価格が50グラムで20円なのに
上乗せが100円だと上乗せ分だけで、市場価格の5倍という
とんでもないことになってしまいます。
こうして考えるといかがでしょうか?
私なりの感想は、フェアトレードってあまりフェアじゃない
というものです。生産者の方にはフェアかもしれない、でも
フェアトレードだからといって高いお金を出して
商品を選択している人に対して、その上乗せ分の
使途が不透明すぎてフェアじゃないように思うんです。
例えば、Table for Twoというプログラムがありますよね。
対象となる定食や食品を購入すると1食につき20円が
寄付され、途上国の子供達の給食代1食分になるというもの。
420円の定食ならば、この中に20円の寄付金が入っているので
本来400円のものが5%上乗せされていると考えることができます。
途上国の貧困・飢餓と先進国の肥満という対照的な現状を
バランスさせるためのとても良い仕組みだと思いますが
私がこの考えを良いと思うのは、上乗せが20円、または
定食代の5%程度と消費者の負担が少ないのに、その効果が
しっかり届く仕組みだという効率性です。
それに比べると、フェアトレードのチョコレートは
100円の普通のチョコに比べ300円と、上乗せが200円または
300%と消費者の負担が大きい割りに、その効果が不透明。
フェアトレードは前回書いた「ミクロで見たときに
所得格差を生む副作用」と、今回の「消費者が払う
プレミアムに対して生産者への還元が不透明」という2点が
あるため、私はフェアトレードを諸手を挙げて
全面的に大賛成、という立場にはなれないのです。
もちろん、他にも腑に落ちない点や素晴らしい面は
枚挙にいとまがありません。ただこれから前を向いて
歩んでいくには、この点に対してどうアプローチしていくか、
それを考え、行動にうつすことが重要だと思っています。
次回はDari Kなりの考え・アクションについて書いてみようと
思います。このブログは、私の一方的な解釈を紹介するのではなく、
読者との意見交換や情報共有が出来たらいいなぁと思っているので
コメントやご意見などあれば是非シェアして頂けたら幸いです!