秋ギフト│食感を楽しむカカオニブアイスクリーム

dari K to the World
ブログ

行ってきます!

以前もお知らせしましたが、7月31日から8月7日まで
Dari K店舗及びお取り寄せはお休みとなります。
この期間、今晩から8月7日まで、Dari Kでは
カカオ豆の産地である「K」の島、インドネシアのスラウェシ島の
カカオ農園をスタッフ全員で訪れます。
ついにこの日が来ました。
1年半前は、一人でバックパックひとつで行ったスラウェシ。
今度は7人で、7つのバックパックに夢と希望を
ぎゅうぎゅうに詰めて行ってきます。
フェアトレード。
この言葉は曖昧で、生産者に還元さえすれば
フェアだと思われる節も多々あります。
でも、問題の解決はそんなに単純には行きません。
今、巷で認識されているフェアトレードは、作物の買い取り価格に
10%や20%上乗せしましょう、というようなもの。
でもこの買い取り価格自体が、市場価格に連動しているのが事実。
そしてこの市場価格の決定要素は、単に需給バランスだけではなく
マネーフロー、つまり値上がりによるリターンを狙う
投機マネーも含まれるのです。
このような資本市場の仕組み、金融の現状を知らずして
フェアトレードを語るのはとても危険なことだと思います。
なぜなら、善意でやっていると思っていても、実際は
資本市場の悪い部分に加担していたり、自分が良いと
思っているほんの数%しか、実際には良いことに使われていなかったり。
さらに、あまりにフェアトレードによる所得再分配のような
ことが進展しすぎると、今度は現地の人の雇用をその産業に
固定化し、産業構造自体が進化しないことにもなりかねません。
どういうことかというと、例えばカカオ農家に今の1.5倍の価格で
カカオの買取を約束すると、みんなもうカカオの生産だけを
行うようになる。たとえ今は米(自給用)とカカオ(換金作物)を
栽培していたとしても、カカオだけを育てた方が効率が良い
(つまりカカオで得た現金収入で米を買えばよい)と、みんな
カカオ栽培に集中してしまう。
でもカカオの国際価格(市場価格)が暴落したときに、
買い取り価格が1.5倍だとしてもそれでは食べて
いけないかもしれない。
米不足で米が高騰し、今の2倍の価格になったときに、
1.5倍のカカオでは食べていけないかもしれない。
良くも悪くもカカオは換金作物。
自分達で食べない。食べ方、加工の仕方を知らない。
自分達が作った豆が、いつどこの国に行くかも知らず、
それがどんなチョコになっているのかも知らない。
本来ならカカオだけ育てても仕方ない、と
産業化が進むこともあるかもしれないのに、
変に(1.5倍に)釣りあがった価格に魅了され、
ずっとカカオ栽培(農業)に固定され、産業化が
遅れてしまうかもしれない。
経済は常に動くもの。そこには人がいる。
その人ひとりひとりには人生がある。
それなのに、先進国の人が、「途上国の農家は貧しいのは
かわいそう。搾取されているんでしょ。」と言って
「それではフェアトレードやりましょう。
価格2割上げます。苗木渡すからね、みんなで頑張って
もっとカカオ沢山作りましょう」なんていうのは
どうなんでしょう。
そりゃ現地の人は歓迎するはずです。
今と同じことしてても2割の所得アップになるし、
苗木をもらって、コスト抑えられるし。
でもそれがベストな解決策なのでしょうか?
彼らの作る農作物が(市場経済に任せておいたら)
不当に安くなりかねないから、(フェアトレードと呼ばれる
介入を通して)その所得補填をすることにより、
本当にみんなHappyになれるのでしょうか?
私には分かりません。
少なくとも私が現地に行ったとき、農家の人は幸せそうでした。
幸せか、と聞いたら、幸せだ、すごくHappyだと言っていました。
もっとお金が欲しいか、と聞いたら、今食べていけるから
それでいい、と言っていました。
僕が、今の現地の市場価格より高く買い取る、と言った時、
本当か、と聞かれましたが、本当だ、と言っても
そこまで嬉しそうな表情はしませんでした。
でも、これまで発酵をしてこなかった農家と一緒に発酵をして
発酵してない豆と発酵したカカオ豆の香りを比べた時、
そう、発酵した豆が甘いチョコレートのような香りがした時、
彼らは驚いて、ものすごく嬉しそうな顔をしました。
今度この発酵した豆を日本に持って帰り、チョコを作るよ、
というと、どんな風になるのか、どんな味なのか、興味深々の
様子でした。
あれから1年半が過ぎ、まさか自分でもこんなに早く
このときが来るとは思ってもみなかったけど、ついに
このときがやってきました。
僕一人では出来ないけど、今回はショコラティエも行くから、
出来ること。それは現地のカカオを使って、一緒に
チョコレートを作るんです。
現地でチョコが作られないのは、一つにはチョコ(カカオバター)の
融点が30度で、現地の気温はそれより高いから、作っている
そばから溶けてしまうという物理的な問題があるのは確か。
でも板チョコやトリュフにしなくても、そのカカオ豆を使って
チョコのブラウニーやパンケーキはできるはず!
自分の作った作物(カカオ)が、美味しいお菓子になる、
それも現地の材料のみで作れると知ったら、
みんな自分の家でカカオを消費することに
なっても全然おかしくないはずです。
すると、カカオの買い取り価格が不当に安いと感じたら
彼らは、これまでだったら仕方なく買い取り業者に
買い取ってもらっていたけれど、これからは
「そんなに安いのだったら、自分で使います」と
自家消費に回すかもしれない。
きちんと発酵すると美味しいチョコケーキになる
と知ったら、みんなどうやれば上手く発酵できるか、
自分達で考えて工夫するかもしれない。
これまでチョコを食べなかったカカオ農家の人に
美味しいカカオ豆を作ってくれなんて言う方が
おかしいでしょ。
自分で自分の作るものの価値が分からなかったら、
そりゃ搾取されるでしょ。
逆に自分で自分の作るものの価値を分かったら、
もっともっとその価値を上げるように頑張るでしょ。
それこそが、変動の大きい市場価格の影響を
農家が自分で守る正統な防衛策であり、現在の
資本主義の歪みを是正する持続可能な解決策ではないでしょうか?
Farmers in developing countries are in weak
positions in many ways. They are vulnerable
to the volatile market prices, which they can't
have a controle of.
Giving the farmers "20% premium" to the market prices
under the so-called "fair trade" concept may benefit
them to a certain extent, but is that enough?
is that enough to make them happy?
is that enough to make them free from the volatile
market prices determined not only by the supply-demand
balance but also by speculative money?
No, I do not think so.
I believe the only way, which is sustainable and
reasonable in nature is, that the farmers themselves
know the value of their products. Only then,
they can gain a fair, yes, FAIR negotiation power
as they know more about the products than any buyers.
This would be the key to overcome the current
problem happening in this distorted market economy.
Dari K will do our best.
We have power, we have mind. We can do it.
行ってきます!