新作 │ 発酵にこだわるチョコレートトリュフ

dari K to the World
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経済のハナシ~今のマーケットから見るカカオの持続可能性~

年が明けて、いきなり円高ドル安が進行していますね。私が為替相場を意識するようになったのは、Dari K設立以前に金融機関に勤めていたときから。

多くの方にとって、為替レートを気にするのは海外旅行に行くときくらいでしょうか。私も金融機関に勤務するまでは、日常生活において為替の動向を気にすることなんて皆無でした。

でも実は為替って私たちの暮らしに非常に密接に関わっているんですよね。食糧の多くを輸入に頼っているわが国では、スーパーの野菜や肉の値段も為替によって変わりますし、国産の野菜や肉は関係ないかというと、肥料や飼料が輸入されていれば当然為替の影響を受けます。

国産でないものは当たり前ですが全て為替の影響を受けますし、仮に国産でも、その製造過程で輸入が絡む場合は、程度の差こそあれ為替の影響を受けるのです。

そしてやっかいなことに、輸入が絡むとなると為替だけでなく、物流コストも影響します。輸送運賃ですね。これは主に燃油の価格に影響を受けます。今、石油価格が非常に下がっていますね。ガソリンスタンドのレギュラーの値段を見ると、110円をきっている!原油安と円高でものすごく安くなっています。

ガソリンが安くなってラッキー!と日常生活では感じてしまうかもしれませんが、これは経済にとっては非常に危ない!というのも原油価格は今12年ぶりに1バレル30ドルを切ったという超低水準になっており、これは中東産油国が国の財政に大きな悪影響を及ぼすレベルになっています。

サウジかわいそう、UAE大変ね、なんて人ごとだと思っていたら大間違い!オイルマネーで潤っていた中東の国が、自国の財政を健全化させるために、これまで世界各国の株式市場に投資していたお金を引き上げはじめたらさあ大変!

株価はどんどん安くなってしまいます。株価が下がると、企業は設備投資を控え、お金を使わずためようとする。するともちろん、従業員の給料も上がらず、景気はまた下向きになりデフレへ・・・。

さてDari Kはチョコレート屋なのでカカオのことにも触れましょう。カカオの価格も実は年明けからジリジリ下がりはじめました。カカオ農家は昨年エルニーニョの影響で収穫量が激減していました。それなのに、カカオの国際相場は他の市況と同時に下げ傾向に。

本来、不作だと、市場への供給量が少なくなるので、価格が上がるはずなのに、価格が下がってしまって、生産量も低いので、カカオ農家は今生計が非常に苦しくなっています。

資源国であるインドネシアの通貨ルピアは今売られている(ルピア安になっている)ので、カカオの国際相場が下がっても、額面よりはルピア安の効果でカカオ農家は若干救われています。

しかし、こんな世界情勢の中、アメリカが追加で利上げする可能性が低くなると、ドルに替えたいと思う人が少なくなり、ドルに対する各国通貨は相対的に高くなるでしょう。つまり円高&ルピア高、ドル安という風に動くと考えられます。

するとどうでしょう。カカオの価格が下がり、ルピア高になるとカカオ農家は本当にやっていけなくなってしまいます。カカオやコーヒーといった換金作物を栽培する途上国の生産者は、自分ではどうすることもできない資本主義の国際相場に翻弄されるしかないのです。

これはフェアトレード云々という話とは全然違います。フェアトレードは農家からの買い上げ価格のことを指しており、今話しているのは市場価格と為替のこと。つまり、たとえフェアトレードをしていたとしても、フェアトレードの買い上げ価格は市場価格に連動していることがほとんどなので、市場価格そのものが下がってしまえはフェアトレードの価格も下がるし、為替の影響まで考えているフェアトレード団体なんて決して多くないと思います。

あと1ヶ月でバレンタイン。好きな人に想いを巡らせるのは素敵なことですが、いつまでチョコが食べられるのかとちょっと不安になってきました。それと同時に、このバレンタインはみんなで生産者にも想いを馳せて、自分たちに何かできることはあるか考えてみるきっかけになればと投稿してみました。

カタイ話ですいません><

悲観してても仕方ない!Dari Kと一緒に、本当にサステナブル(持続可能)なチョコレート生産とは何か考えましょう!京都大丸や伊勢丹京都では講演の時間をいただいているので、是非皆さん一緒に語らいましょう(詳細は後日HPやFacebookでお知らせします)