新作 │ 発酵にこだわるチョコレートトリュフ

dari K to the World
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イェニー・ワヒド女史との会談を終えて

Dari K監修の阪急オアシス・イズミヤでの限定スイーツが連日売り切れ店続出ということで大きな反響をいただいておりますが、これに先立ち先週インドネシアより、イェニー・ワヒド女史が来日し、京都のDari Kを訪れました。

日本ではあまり名前を聞くことのないイェニーさんかもしれませんが、ハーバードのケネディスクールを卒業し、現在はワヒド研究所所長、新インドネシア民族主権党(PKBIB (Partai Kedaulatan Bangsa Indonesia Baru))党首、ムスリム女性機構事務次官などを兼任されている非常に若い(私と6歳しか違わない)リーダーです。また2005年から2014年にかけて、Forbes誌、Globe誌など数々の媒体にて「インドネシアで最も影響力のある女性」に選出されるなど世界的にも非常に著名な方なのです。

Yenny-san@Gion shop1

数か月前、国際交流基金を通じて私に会談依頼がきました。何かの間違いかと思ったものの、Dari Kの取り組みについて直接話が聞きたいし、店舗も見たいということで、混乱を避けるため観光客を装い祇園あきしの店にこっそりご来店いただき、その後会談させていただきました。

日本が入札したものの結局中国に取られてしまった新幹線の案件のことや、日本・インドネシアの経済見通しなど経済的な意見交換から、Dari K設立の経緯や今の活動(特にインドネシアでの気候変動や再生可能エネルギーに関する取り組み)、今後の展開などまで、非常に話が盛り上がり、予定では1時間の会談が、終わってみれば3時間近くになっていました。

インドネシアの1つの島の、1つの村で始めたDari Kの取り組みが、設立から4年経って、現地の有力者にまで注目していただける。また先日のパリのSalon du chocolat出展のように、これまで低品質だとみなされて世界のトップパティシエが誰も見向きもしなかったインドネシアのカカオ豆が世界の舞台でデビューする。

これが意味することはまさしく「たった1人で始めた小さな活動でさえ、世界を動かすことができるかもしれない」という望みです。ましてや多くの方が共感・賛同してアクションを起こせば、それは世界を変える大きな大きな力になるはずです(collective impact)。

今私はジャカルタにいます。日本の経産省からの推薦状を元に連日、インドネシア中央政府の財務省や国家開発計画庁など省庁をまわっています。

はじめは彼ら官僚は「あなたは日本の企業(private company)だから、インドネシアで収益を上げたいということですか?」という見方をされていますが、面談が終わるころには「Dari Kもインドネシア政府も、見ているのはお金ではなくて農家をはじめとする国民の生活が今後どうなるか。どう私たちは彼らをリードしていくか。ゴールは同じだ」と理解していただくことができ、今後の協力体制をより強固なものにするための覚書(MoU: Memorandum of Understanding)を締結しようというオファーさえいただくようになりました。

きっとDari Kに勢いがあるのではないんですよね。なぜなら2011年からやっていることは何も変わっていないのだから。おそらく時代が、こういう先行きが不透明で今後何が起こるか、1年先さえ分からない時代が、頑張って何か社会を変えようとしているDari Kのような小さな組織にも目を向け始めているのだと思います。

帰国したら、出発前に仕込んだ新しいチョコが出来ているはず!いずれ近い将来、インドネシアでチョコを販売する日を夢見つつ・・・