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【インタビュー】京都の老舗甘納豆屋「斗六屋」はなぜdari Kのカカオ豆で甘納豆を作ったのか

 

京都で90年以上続く甘納豆専門店「斗六屋(とうろくや)」。昔ながらの伝統的な甘納豆を作り続ける傍ら、dari Kのカカオ豆の甘納豆「加加阿甘納豆(かかおあまなっとう)」を開発、販売するなど、甘納豆の可能性を広げるべく様々な挑戦を続けています。

 

「甘納豆を世界に通用するお菓子にしたい」と語るのは、斗六屋4代目当主の近藤健史さん。今でこそ熱い想いを持って日々挑戦を続けておられますが、当初家業を継ぐ気は全くなかったのだそう。どのような心境の変化があって家業を継ぐことになったのか、そしてなぜカカオ豆の甘納豆を作ろうと思ったのか、お話を伺いました。

 

◆甘納豆屋になりたくなかった

 

―「斗六屋を継ぎたくなかった」と仰っていましたが、なぜそう思われたのでしょうか?

 

曾祖母が斗六屋を創業したのですが、祖父、叔父(先代)と色々と業態を変えながら続いてきました。曾祖母は甘納豆を販売するだけでなく、喫茶店も経営するなど手広く商売していたようです。第二次世界大戦を経て、祖父の頃から主に企業向けに甘納豆を卸すようになり、地元の方で、斗六屋を知っている方だけが買いにくるような状況でした。今は「斗六屋」として直接お客様に甘納豆を販売するのが主なので、今の業態とは真逆ですね。

 

中学生の時、実家が甘納豆屋であることをからかわれたことがありました。多感な時期だったこともあり、それ以降実家が甘納豆屋であることを隠すように。絶対に斗六屋を継ぎたくないと思うようになったのもこの頃からです。学生の頃はほとんど家業を手伝いませんでした。

 

―どのような心境の変化があって、斗六屋を継ごうと思われたのですか?

 

心境の変化があったのは大学院生の時。節分のお祭りに出店し、甘納豆を販売するのをたまたま手伝ったんです。お祭り期間の3日間、合計で1000〜2000人の方が訪れ、甘納豆をご購入いただきました。そのお祭りには、40年以上出店しており、毎年斗六屋の甘納豆を楽しみにしておられる方も多くいらっしゃいました。その光景を目にした時に、「人に喜んでもらえる良い商売なんだ」と初めて実感しました。当時卸売がメインだったので、こんなに多くのお客様のお顔を直接見るのは初めてでしたし、目の前で喜んでいる姿を見たのも初めてで、新鮮でしたね。

 

この光景を目にした時にふと、「自分はこれまで甘納豆に支えられてきた」と思ったんです。大学院までの学費をすべて親が支払ってくれていたのですが、その学費はすべて甘納豆だけを売って得たお金。大学院までの学費を支払うためには、奈良の大仏と同じ重さの甘納豆を売らないといけないくらいの金額でした。「甘納豆に恩返しがしたい」その想いが強くなり、家業を継ぐことに決めました。

 

◆カカオとの出会い

 

―斗六屋に入社されてから2年後、イタリアに行かれたのですね。

大学院修了後、2016年に斗六屋に入社したのですが、この業界に入って分かったのは甘納豆の国内需要の減少でした。京都の甘納豆屋も徐々に減っており、現在では斗六屋を含め4軒のみ。甘納豆の製造販売以外にも和菓子屋などを経営する甘納豆屋もありますが、私はどうしても甘納豆一本で勝負したかった。そこで、2018年にイタリアで開催されたスローフード世界大会に出品することに決めました。甘納豆を、世界に通用するお菓子にしたい、という想いからでした。

 

―海外の方からの反応はいかがでしたか。

 

結論から言うと、スローフード世界大会での甘納豆の評判は芳しくありませんでした。そもそも海外では豆を甘くして食べるという発想がなく、中でも小豆は海外の人にとって見慣れない食材であるため、受け入れにくかったようです。白いんげん豆は海外でも食べる習慣があるため小豆よりは興味を持ってもらえたのですが、白いんげん豆の甘納豆は口に合わない人が多かった様子でした。

 

甘納豆を広めるという目的は果たせなかったものの、チョコレートとアイスクリームがいかに世界中で愛されているかを実感しました。日本の食材だけにこだわらず、海外の食材を使って甘納豆を作るのも面白いのではないか。なんとなくそんなことを思いながら帰国しました。

 

―イタリアでの経験がきっかけで、カカオ豆の甘納豆を作るという構想が生まれたのですね。

 

そうですね。イタリアから帰国した後、たまたまDari K株式会社の講演を聞く機会があったのですが、カカオを取り巻く問題に強く共感したことも大きいです。先代の頃は甘納豆の卸売をやっていたのですが、下請けとして買いたたかれることもあり、頑張って美味しい甘納豆を作ってもその努力が報われていない、正当に評価されていないと悔しく思うことが多くありました。その気持ちが強くあったからこそ、私が2020年に事業承継をした時に卸売を辞め、「斗六屋」として直接お客様に甘納豆を販売するようになったくらいです。国や商材は違えど、Dari Kの取り組みや想いと同じだと感じました。そして、世界中で愛されているチョコレートの原料・カカオ豆で甘納豆を作るなら、dari Kのカカオ豆で試してみたいと思い、開発に着手しました。

 

◆甘納豆のイメージを覆す、「加加阿甘納豆」誕生

 

 

―2019年の初めにカカオ豆の甘納豆づくりを決意されてから完成まで1年以上かかったそうですが、特に苦労された点はありますか。

 

一番大変だったのは、表面のぬめり取りです。カカオ豆は、カカオというフルーツの種で、パルプ(白い果肉)がついたまま発酵・乾燥させます。発酵や乾燥の工程が終わる頃にはパルプの水分が抜けてパルプは目立たなくなっているものの、生カカオ豆を洗うと、こびりついたパルプの繊維質が強いぬめりとなって現れます。甘納豆づくりでは皮が必須となるため(皮がないとあんこになり、せっかくの素材らしい形が崩れてしまう)、皮を残したままぬめりだけ取る方法を編み出すのに苦労しました。

 

 

あとは、砂糖選びも苦労しました。加加阿甘納豆にはココナッツシュガーを使っています。最初グラニュー糖やてんさい糖で作ってみたのですが、カカオの風味の強さに負けてしまい、いまひとつでした。色々と試していく中で、カカオと同じような気候で育ったココナッツなら合うかもと思いココナッツシュガーで試したところ、お互いのフルーティーさや微かな酸味を活かしあっていて相性ぴったり。ココナッツシュガーは、フィリピン人の収入向上に取り組まれているココウェルさんのものを使用しています。甘納豆はシンプルな材料でできているからこそ、素材選びにも一つひとつこだわっています。

 

―2020年12月に加加阿甘納豆を発売してから、お客様の反応はいかがでしたか。

 

「珍しい」と手に取っていただけることが多く、売上の3割を占める人気商品になりました。一番大きかったのは、甘納豆の購入層が広がったことでしょうか。今までは、60~70代のお客様がほとんどだったのですが、加加阿甘納豆をきっかけに大学生や20~30代のお客様も増えてきています。

 

◆甘納豆の可能性を広げたい

 

 

―今後、取り組みたいことはありますか。

 

甘納豆には無限の可能性があると思っています。以前、とあるドキュメンタリー番組で、天皇陛下が即位された時の祭典で提供する食事の裏側を観ました。人によってアレルギーや食に対するスタンスが異なるため、バラバラのメニューを提供していたんです。「皆がバラバラのメニューを食べている状況は、食事を共にしていると言えるのだろうか」とふと疑問に思いました。甘納豆であればアレルギーもほとんど関係ないし、ヴィーガンなどにも対応できます。カカオ豆でも甘納豆が作れたように、色々な食材で甘納豆を作ることができるので夢が広がりますね。

 

あと、カカオ農家さんが自分たちで甘納豆を作り、販売できるようになれば農家さんの収入向上にもつながると思います。カカオ豆と砂糖があれば甘納豆を作れますし、使用するのは生カカオ豆のため、焙煎する必要もありません。まずは一度インドネシアに行って、カカオ農家さん達と一緒に甘納豆を作ってみたいです。

 

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加加阿甘納豆は、オンラインショップまたは店舗でお買い求めいただけます。

 

【オンラインショップ】

京・甘納豆処 斗六屋オンラインショップ

dari Kオンラインショップ

 

【店舗】

◆京・甘納豆処 斗六屋

京都府京都市中京区壬生東大竹町5番地

営業:木金土11:00-18:00(土17:00)

 

◆dari K三条本店

京都府京都市中京区上瓦町63

営業: 11:00-18:00(定休日:火曜日 (祝日の場合は営業))

 

※数量に限りがございますので売り切れの際はご容赦ください。