秋ギフト│食感を楽しむカカオニブアイスクリーム

5月29日(金)TV「ワールドビジネスサテライト」放送!

本日5月29日(金)23:00より、TV東京系(TV大阪など)「ワールドビジネスサテライト(WBS)」にてDari Kが特集される予定です(他のニュースとの兼ね合いで次週放送の可能性あり)

「The行列」という行列ができるお店を紹介するコーナーです!お時間あれば是非!

5月25日(月)日経新聞全国版に掲載

5月25日(月)日経新聞全国版にDari Kの取り組みが掲載されています。社会起業家という枠組みで弊社の活動を紹介していただいていますが、面白いことに紹介されている多くの社会起業家の多くが30代前半ですね。

ところで、Dari Kは「海外で活動する社会企業➡フェアトレード推進派」と思われがちなので、若干ややこしいですが、これは大きな誤解だということを良い機会なので説明したいと思います。

具体例を挙げるとDari Kはカカオを輸入して日本でチョコレートにして販売しています。そして、このカカオ豆の価格は、ニューヨークとロンドンの市場(「いちば」ではなくて、「しじょう」と読みます。株や債券と同じようにカカオにも「しじょう」があります)で価格が決まります。どの農家がどれだけ高品質なカカオをつくろうが、現実は厳しいもので、価格は生産者とは関係ない国際相場で決まるのです。相場が右肩上がりならばいいですが、当然ながら価格は日々騰落を繰り返します。それは取りも直さず、生産者の収入が予期せず上がったり下がったりすることを意味します。上がればいいですが、下がった時に政府による所得補償や失業保険は当然ながらありません。生産者は現金収入のために商品作物であるカカオを栽培しているのに、そのカカオは遠く離れた先進国の大都市でヘッジファンドらによって決められ、生産者の生活は相場に左右される。

だからDari Kはフェアトレードを推進しているのでしょう、と言われればそれは大きな誤解です。むしろ私たちはフェアトレードを声高に叫んでも、現実問題の根本的な解決にはつながらないと考えています。というのも、フェアトレードは資本主義経済の中で弱い(価格交渉力がない)立場にいる生産者のために、現在の市況(国際相場)よりも高い価格で生産者から買い取るのですが、それはあくまで消費者の「善意」があってこそ成り立つ仕組みだからです。

企業は利益を最大化するために原価を出来るだけ下げようとするのが通常で、原料を高値で買い取ることは利潤を削ることを意味するし、高値で買った分、販売価格に上乗せすれば利潤は保てるかもしれませんが、価格競争力で他社に負けることを意味します。商品の質が変わらないのであれば、価格が低い方を選ぶのが消費者の常でしょう。フェアトレードを推進すればするほど、商品の質は変わらないのに消費者が払う購入価格は高くなる。フェアトレードは生産者にとってはフェアかもしれないけれど、消費者にとってはフェアではないのではないでしょうか?

問題の本質は、「資本主義経済の歪みをフェアトレードで補う」という発想そのものにあると考えます。弱い立場にある生産者がかわいそうだから取引価格を上げましょう、という現在のフェアトレード精神に基づく愛の手を差し伸べても、それは経済の流れに逆行しているため、それが広がるのは非常に難しい。

そうではなく、生産者に対して「頑張って質の良いものを作りましょう。質の良いものを作ったら、その対価として通常よりも高値で買い取りますよ」といって生産者の自助努力を促進させることが肝要なのではないでしょうか。かわいそうだから高く買い取るのでは、商品の質はいつまでたっても変わらない。そうでなく、良いものを作ったら、それを認めて高値で買う。高値の源泉は、かわいそうな生産者の現実でなく、生産者が頑張った結晶(付加価値)にすべきだと思うのです。つまり、頑張って結果を出せばその分報われる、という資本主義の柱である成果主義を導入するのです。

そうすれば、生産者は工夫し、よりよいものを作るようになる。消費者だって、質は変わらないのに値段だけ高いフェアトレード商品を買うよりは、同じお金を出すならば、質が良い方に出す方が自然だと思うのです。フェアトレードのコーヒーは、そうでないコーヒーに比べて味が美味しいでしょうか?目をつむって飲み比べした時に、どちらが美味しいか分かりますか?

資本主義に対抗するフェアトレードではなく、資本主義の原則に合わせながら生産者を報いる仕組み、それがDari Kが目指しているところなのです。
Dari Kは今年から現地で製造したチョコレートを現地で販売することを始めます。何故でしょう?

人口も減りマーケットが縮小する日本より、人口が増え、所得水準も上がって市場が拡大しているインドネシアで販売した方が将来性があるからでしょうか?それはそうかもしれません。でも最大の理由は、これは生産者にとって「リスクヘッジ」であり、かつ「やりがい・生きがい」につながるからです。カカオ豆の国際相場が下がった時、それでも生産者は現金収入のために仕方なく販売して換金しなければならなかった。当然、所得は相場に連動して下がってしまいます。でも、もし彼ら自身がチョコレートを製造できるならどうでしょう?

カカオ豆の国際価格が下がっても、チョコレートの価格を下げる必要はありません。むしろ原価が下がった分、利益は増えるでしょう。それに、質の良いカカオ豆を生産すれば、当然最終商品であるチョコレートも美味しくなり、美味しいチョコレートは高い価格で販売できるはずです。自分の努力が質の向上につながり、質の向上が収入の向上につながる。フェアトレードの時のように、先進国の人がかわいそうだからといって手を差し伸べてくれるのを待つ必要はないのです。自ら努力して、自らの手で価値を創造する。その結果が消費者に評価される。収入が上がったのは、心優しいNGOやNPOのフェアトレード財団が運よく来て、高値で買ってくれたのではなく、自分の努力が実ったからです。

「与えられるフェアトレード」から「自ら勝ち取るトレード」へ。この意識改革こそ、今我々が起こすことができるレボリューションだと考えています。

ちなみに、この夏、小学生から大人まで、誰もがこの取り組みを体験できるツアーを企画しました。

詳細はぜひこちらをご覧ください。
カカオ農園ツアー2015,5,29(S)

Dari Kは今、チョコレートの現地製造・販売にとどまらず、今までゴミとして廃棄していたカカオの殻を使ったバイオガス事業にも着手しました。ゴミがガスになり、電気になり、そしてコンポスト(肥料)になる。つまりゴミを有効利用することで、ガス・電気代を減らし、肥料の購入費も抑え、可処分所得を増やしているのです。現地の人々の暮らしが、少しのひらめきと少しの努力で劇的に変わる。そんな現場の風を是非一緒に感じようではありませんか!

★カカオ農園ツアー2015いよいよ募集開始!★

2011年のDari K設立から今年で5年目。

これまでDari Kとして数々の取り組みをしてきました。そのいずれの取り組みも現地インドネシア・スラウェシ島のカカオ農園があってこそ。他のチョコレートショップと異なり、私たちは現地で学び、現地で考え、現地で教え、そして現地でカカオも友情も育んできました。

Bean to Bar(カカオ豆からチョコレートを手作りすること)が世界的なトレンドになりつつあります。日本でも数多くのBean to Barを謳う専門店が誕生してきています。しかし、現地に根差した取り組みをしている方はほとんどいないのではないでしょうか?私たちは今のBean to Barの流れを少し残念に思っています。それは、せっかく原料から扱うという面倒だけどとても奥が深い取り組みをしているというのに、各メーカーが強調するのは専らカカオ豆が生産された「国」や「カカオ分」、「焙煎」や「コンチング(練り上げること)」といった表面的・技術的なことばかり。そのカカオ豆を作っている「人」にあまり関心を持たれていないからです。

カカオ豆を取り巻く人々にはそれぞれドラマがあります。カカオ豆を単なる原料として表面的に扱うのではなく、現地で何が起きているかを知るのは、非常に興味深く、また生きる上での大きなヒントを与えてくれると私は確信しています。そう言えるのは、私自身がそれを身をもって経験したから。

私たちはチョコレート・メーカーでありながら、哲学的とも言える問いを自らに投げかけてきました。そしてその答えを探しに、現地に通いました。私たちが”客観的”と考える統計データで見るカカオやインドネシアと、現場で感じる”主観的”なカカオやインドネシア。果たして前者は本当に客観的なのだろうか?そして後者は主観的なのだろうか?もしかしたら逆ではないか?データの解釈は主観になり、現場で目の当たりにする光景こそ真実なのではないだろうか?

チョコレート屋としての大義が「美味しいチョコレートを消費者に届ける」ことであるならば、Dari Kはチョコレート屋に留まらずにいました。消費者への矢印とは真逆の生産者に対しても、同じくらい注目をしてきたと言えます。それはチョコレートという表層的なカタチではなく、その原料であるカカオというものが世界の中でどのように位置づけられているのか、まるでカカオに携わる各ステイクホルダーの実態を追うドキュメンタリーのような探求の連続でした。

私はこれまでスラウェシのカカオ農園に20回以上通いました。ようやくカカオ農家の考えが分かってきましたが、いまだに行く度に尚、新たな発見があります。時にそれは魂を揺さぶるような、鈍く重いものであったり。あるいは鋭く突き刺さる無慈悲な現実であったり。自分が思っていたことと現実世界のギャップ。日頃の自分の何気ない行動が海を隔てた人に与える影響。世界はつながっているという実感。自分の無力加減への幻滅とやるせなさ。それでもそこから生まれる一筋の希望。

そのドラマを是非あなたにも感じてもらいたい。何かの縁でこの告知を目にした方に、このドキュメンタリーに参加してもらいたい。だからツアーを企画しました。すべて手作りの企画。バリ島へのバカンスとは比べ物にならない真実の旅。リラックスするのが旅の目的であるならば、このツアーはその対極にあるかもしれません。移動時間も大変多いし、アクティビティーも数えきれないほど。あまりの多くの経験に、それを消化するのに時間がかかるでしょう。でも、そんな旅もあっていい。非日常の日常を体験してもらいたい。

次に書く質問の答えはどこにも書いていません。すべては現地にあります。

★1960年代にはカカオをほとんど生産していなかったインドネシアが今では世界第2位・3位のカカオ産出国になっているのはなぜだろうか?

★13,000もの島々から成るインドネシアの中でもなぜスラウェシ島が国内カカオ生産の7割以上を占めているのはなぜだろうか?

★なぜ農家はコーヒーでなく、バニラでなく、香辛料ではなくカカオを選んだのか?また今後も彼らはカカオ栽培をずっとしていくのだろうか?

★カカオ農家はどういったところにやりがいを感じているのだろうか?

★カカオの価格はニューヨークとロンドンの国際市況で決まっており、生産者は価格を決められないが、これに対して彼らは何を思っているのか?

★フェアトレードやUTZ認証、レインフォレストアライアンスなどの認証は現地の生産者にどういった影響を及ぼしているのだろうか?

★アグロフォレストリーを実践すると、農園や農家にどんな変化がもたらされるのだろうか?

★接ぎ木をして生産性をあげることで、農家の所得はどれだけ増えるのだろうか?増えた収入を彼らは何に使うのだろうか?

★質の良いカカオを育てる条件とは何だろうか?そもそもカカオの質をチョコレートを食べたことのない農家に理解してもらえるのだろうか?

★生産者は何を考えて暮らしているのだろうか?

★自分に出来ることは何なのだろうか?自分にしかできないことはあるのだろうか?

いよいよ6月1日から申し込みスタートです。この夏、一生に一度の経験をしましょう。

詳細はリンクをどうぞ。
カカオ農園ツアー2015,5,29(S)

Opportunity once in a lifetime.