Dari K(ダリケー)

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【吉野に聞く】なぜDari Kは自社農園ではなく、契約農家制を採用しているのか?(第4回)

インドネシアのスラウェシ島に約500軒の契約農家がおり、Dari Kはより品質の高いカカオ豆を作ろうと、契約農家さんと共に日々奮闘しています。インドネシアでは外国企業が土地を所有することが可能なため、Dari Kが現地に自社農園を所有することもできるのですが、あえて契約農家制を採用しています。なぜDari Kは契約農家制にこだわるのでしょうか?

 

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―そもそも、自社農園と契約農家って何が違うのですか?

 

吉野:簡単に言うと、企業が土地を所有し、小作人を雇うのが自社農園で、各農家が自身で土地を所有し、彼らが栽培した農作物を企業が購入するというのが契約農家制です。

 

―なるほど。自社農園のメリットって何ですか?

 

吉野:自社農園は土地の所有権が企業にあるので、企業の好きなようにできるのがメリットだと思います。たとえば、Dari Kはアグロフォレストリー農法を採用していますが、約500軒の契約農家さんの元へ1軒1軒回り、アグロフォレストリー農法を説明したり、アグロフォレストリー農法を採用してほしいとお願いしたりするのは大変な労力がかかります。自社農園であれば「アグロフォレストリー農法を採用します」と一度伝えれば済みますよね。

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―たしかに。では、Dari Kはなぜ契約農家制を採用しているのでしょうか?

 

吉野:そもそも私がDari Kを創業したのは、歴史的な背景からカカオ農家が儲かりにくい構造になっていることに対して疑問を持ち、カカオ農家の努力がきちんと報われるようにしたいと思ったからです。カカオ農家が頑張っても頑張らなくても、カカオの買取価格は国際市場で決められてしまうため、出会った当初のインドネシア・スラウェシ島のカカオは品質が低かったのです。そこで、カカオの品質を上げてそれに見合う買取価格で買い取る仕組みをDari Kが独自でつくることで、カカオ農家の努力が収入という目に見える形できちんと報われるようにしています。Dari Kがスラウェシ島の農家と出会った時、彼らは自分の土地を持ち、農業を営んでいたのですが、「カカオ農家の努力が報われるようにする」という目標を達成するためにわざわざ自社農園をつくる必要はないと感じましたし、自社農園だと雇用者(Dari K)と被雇用者(農家)の主従関係が出てきてしまいます。一人ひとりの自主性を重んじるためにも契約農家制の方が適していると思いました。

 

―契約農家制だと農家さん一人ひとりが自分で考え、より良いカカオを作ろうと努力するんですね。

 

吉野:そうですね。今Dari Kには約500軒の契約農家がいますが、駐在員が何も言わなくても自分たちで積極的に会合を開き、情報交換をしているようです。たとえば、「こういう風に育てると生産性が上がるよ」「こうすると病害虫が少なくなるよ」といった情報ですね。彼ら同士はライバルですが、共により良いカカオを栽培しようと切磋琢磨する良き仲間でもあるのだと思います。まさにwin-winですね。契約農家だと自分の土地があり、どれだけ手をかけてカカオを育てたかが、カカオの品質やカカオの買取価格という形で目に見える結果として表れます。自分の仕事に誇りを持ちながらも一つの大きなチームとして互いに助け合えるのが、契約農家制の良さだと思います。この良さを活かして、皆で助け合いながらカカオ農家の努力が報われる社会にしていきたいです。

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これまでに公開した「吉野に聞く」シリーズの記事は以下のURLよりご覧いただけます。

【吉野に聞く】なぜカカオ農家は貧困から抜け出しにくい状況にあるのか?(第1回)

【吉野に聞く】フィリピン・ミンダナオにおける事業展開の挑戦(2017年JICAプロジェクト)(第2回)

【吉野に聞く】Dari Kはなぜフルーツ発酵に挑戦するのか(第3回)