春爛漫・今だけのトリュフ
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dari K to the World
ブログ

仮説を立てる

Dari Kをオープンして半年が過ぎました。
今月発売の雑誌『Hanako特別編集 関西スイーツ図鑑』
及び『Leaf12月号』に掲載していただきました。
☆Hanakoはショコラトリーのページの一番初めに
そうそうたる海外の名門を押さえて掲載されました!!
是非読んでみて下さい☆
hanako.jpg
leaf 12月号
先日の新聞記事とあわせ、より多くの人にDari Kの
存在を知って頂けることを大変嬉しく思います。
ところで対外的に取材を受けたり、営業に行ったり
している傍ら、実は人知れず店内でやっていることがあります。
それは「仮説をたてて、検証すること」。
食の世界において、詰まるところは味は主観なのかも
しれませんが、その各人の主観にどれだけ訴えることが
できるか、これに関してはとことん突き詰めて考えたい。
それにカカオの可能性を最大限引き出すにはどうしたら
よいか、それを考えるためにも論理的思考は不可欠で、
毎日が仮説&検証の繰り返しです。
例えば、カカオの焙煎。
毎日一定の温度で一定の時間、一定の量をローストしても
出来上がりが微妙に異なってくる。これはともすれば
厄介な問題ですが、逆に言えばカカオはこれほど
繊細でセンシティブな農作物ということ。
だから、焙煎の温度や時間を変えてみるのは
言うまでもなく、たとえば焙煎の途中で一度豆を取り出し、
殻をむいてから再度中の豆だけを焙煎したらどうだろう
という風に思い付きを実際に検討していきます。
ここでのポイントは、単に思いつきのアイデアを実践
してみる前に、一度「仮説」にまで昇華させてから
実践してみるということ。
たとえば、先の例で言えば、始めから終わりまで
普通にローストをするのと、途中で取り出して
殻を剥き、再度中の豆だけでローストするのを
比べるとする。このとき、実験の前に仮説を立てます。
具体的には「焙煎の過程では当然外側の殻が焦げる。
するともしかすると、その殻の焦げついた匂いが
中の豆についてしまうため、出来上がりのカカオ豆は
香ばしいともいえるが、独特のえぐさや焦げた香りが
ついてしまうのではないか。もし途中で焦げた殻を
取り除いて焙煎を続けたら、焦げ臭のしない
よりピュアなアロマが醸し出されるはずである」という風に。
こうして仮説をきちんと立ててから検証していくと
単にこうしたらこうなった、というような偶然の
成果ではなく、これが要因でこうなった、と結果の
解釈もしやすくなると思うんです。そして
その蓄積は必ずや大きな発見につながると
信じています。
こうしてこれまでいくつもの仮説&検証を繰り返します。
そして今日もまた新たな思い付きを仮説に、そして
検証していくのです。