春爛漫・今だけのトリュフ
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dari K to the World
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ミンダナオ出張記(1)

今私は、JICAのプロジェクトの一環でフィリピンはミンダナオに来ています。

下の写真で見て分かるように、実はDari Kのカカオ豆の生産地であるインドネシアのスラウェシ島と、フィリピンのミンダナオ島は非常に近い位置関係にあるのです。

スライド1

「ミンダナオ」と聞いても、すぐピンと来ないかもしれませんが、日本のバナナやパイナップルの多くはこの島から来ています。ドール、デルモンテ、チキータと聞けば、「あぁ!バナナやパイナップルのブランドだ!」とすぐ分かるでしょうが、これらの企業(ブランド)は全てこのミンダナオに農園を持っているのです。

もしくは最近話題になったフィリピンでの大統領選でミンダナオという言葉を聞いた方もいるかもしれません。現アキノ大統領の任期満了に伴う5月の大統領選挙では、ミンダナオ最大の都市ダバオで市長を20年以上務めたドゥテルテ氏が大統領に決まりました。彼がミンダナオ島出身であることから、ミンダナオという言葉もニュースでちらほら聞かれていたかと思います。

しかし「バナナ」「新大統領ドゥテルテの出身地」だけではありません。実際にこの地に「紛争地域」「危ないところ」としてご存知の方も多いはず。住民政府と詳細な説明は私自身できませんが、要は元々この地はマレー系の影響でイスラム教を信仰していました。しかし16世紀にマゼラン率いるスペイン艦隊がやってきて、そこから徐々にキリスト教が広まっていくわけです。

「モロ人」(イスラム教徒)によるモロ・イスラム解放戦線(MILF)はフィリピン政府からの分離独立を唱える武装組織であり、国民の大多数(90%以上)を占めるキリスト教に対し、5%のイスラム教が対峙してきたのです(ミンダナオに限って言えば住民の2割がイスラム教)。独立を望むイスラム教徒と政府の間に、長年紛争状況が続いておりました。

今でも外務省の渡航中止勧告が出ているこの地域、セキュリティガードをつけていただきながらの出張になりました。

当たり前ですが、Dari Kがミンダナオに新しい店舗を出店するわけではなりません!一チョコレート屋がこの地で何ができるのか?何を期待されて派遣されたのか。明日はその点について書いてみようと思います。