春爛漫・今だけのトリュフ
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dari K to the World
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来日したカカオ農家がバレンタインに感じたこと

2011年に創業したDari Kにとって7回目のバレンタインが無事終了しました。

創業してからカカオ農家には、いつか日本のバレンタインを経験してもらいたいと思っていましたが、今年は現地の農家3人を招待するという長年の夢を実現させることができました。

熱帯の気候から雪が舞う日本へ来た彼らは未曾有の寒さに震えながらも、日本のお客様とお会いし、話すことで、非常に良い経験になったと思います。
カカオは熱帯の作物なので、基本的に赤道の近くで栽培されます。一方で、カカオが加工されチョコレートとして消費される大部分は、四季のある先進国になります。

つまり、生産地と消費地が国をまたいでかけ離れており、これにより生産者はカカオ豆を出荷・販売したらそのカカオがどこの国に輸出され、どう加工され、どこで食べられるのか全くイメージが湧かなかいのが現状。

そんな環境のままだと、当然生産者のモチベーションもあまり上がりません。農家にとって一番うれしいのは、それを加工したり食べる人からの「美味しい」という言葉なので。

人間は誰しも承認欲求があるので、いくら働いてお金をもらっても、だれからも「ありがとう」「頑張ったね」という感謝の言葉がないとやっぱり悲しいですよね。

それはカカオ農家も同じ。だからダリケーはこれまで夏にカカオ農園ツアーを催行し、日本の消費者とインドネシアのカカオ農家が直接交流する機会を設けてきました。

そして今回、初めてインドネシアの農家を日本に招待。彼らにダリケーの店舗・工房や出店している百貨店を回ってもらい、多くの消費者とつながったのです。

その結果何が起こったか?

3人の農家は口を揃えてこう言いました。

「今まで良い品質のカカオ豆を作ろうと頑張ってきたけど、その努力が報われたよ。こんなに多くの日本人がチョコレートを愛していて、自分たちのカカオがこれらの人に笑顔を届けていると思うと、もっともっと頑張ろうとやる気が出てきたよ!」

もちろん、カカオ農家にとって高品質のカカオを作る最大の目的は、少しでも豆を高く買い取ってもらうことかもしれないけれど、でもそれがすべてではありません。

カカオ豆に値段はあっても、消費者が生産者に直接伝える「ありがとう」はプライスレス。

今後、モチベーションが上がった農家によりカカオ豆の品質が一層上がり、消費者である私たちはさらに美味しいチョコが食べられるようになると思います。

カカオの生産者に「ありがとう」を伝えられる、今年はそんなバレンタインデーになりました。

*写真は梅田の阪急百貨店で登壇したカカオ農家(カカオハンターの小方さんとセッションしました!)と、過去のダリケーツアー参加者によるサプライズ歓迎夕食会の1コマです

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