チョコレート革命! Vol.2

| 2017.12.26


前回、お米には新米があるし、お茶にも新茶がある。じゃがいもは新じゃが、タマネギは新タマネギがあり、ワインだってボジョレ・ヌーボーがある。今はハウス栽培が増えて野菜や果物の「旬」はあまり感じられなくなったものの、それでも自然に育まれた作物はみな「旬」があります。カカオも例外ではありません。どこのカカオ生産国でも、大きな収穫期つまり旬が年に2回あるんです。なのになぜ、新チョコってないんだろう、というのが疑問だったという話をしました。

新チョコがない理由。それは、お米やお茶、じゃがいもやタマネギ、そしてワインも生産地と消費地がそれほど離れていないということに関係するんです。

カカオが栽培されるのは赤道を挟んで南北緯度20度の熱帯地域。なぜ熱帯でしかカカオは育たないかというと、カカオの種(カカオ豆)の中の胚乳が芽を出すには、その胚乳を構成する油(カカオバター)が融けなればならず、このカカオバターの溶けだす温度(融点)が約30℃だからなんです。つまり、気温が30~35℃と高くなくては、カカオ豆は発芽しないということ。

そしてこの事実が皮肉な現象を生み出します。つまり、カカオを栽培するには平均気温が30~35℃でなくてはいけない一方で、カカオ豆からチョコレートを作ると、そのチョコも30~35℃で溶けてしまう。カカオが栽培できる場所は、チョコが溶けてしまう場所でもあるのです。

するとどうでしょう?せっかくカカオが収穫され、その場でチョコを作ろうとしても、チョコを作ってるそばから溶けてしまうので固まらない。もちろん冷蔵庫があればいいのですが、カカオの生産国の一人当たりGDPは1500~3000ドルの国がほとんど。中でも農家の所得はその半分くらいのことも少なくないので、年間750ドル~1500ドルくらい、日本円にして年収が7.5~15万円くらいなんです。そうなると、冷蔵庫を買う余裕もないし、そもそも電気が通ってない無電化地域も多いので、チョコを作ることができなかったりするんです。

そうなると、カカオ豆はチョコにするのに、はるばる船で外国へ輸出しないといけない。アフリカや中南米、アジアから日本へ船に乗せてカカオ豆を運ぶのに2か月~長ければ半年以上かかります。もちろん、これはカカオを収穫してすぐに船に乗せれた時の話であって、通常はカカオ豆を収穫後、倉庫で保管され、注文が入って初めて輸出手続きに入るので、カカオ生産国の倉庫や港の倉庫で半年~2・3年保管されていることも珍しくありません。

そうして輸出されたカカオ豆は今度はチョコレートメーカーの倉庫で実際に使われるまでまた保管されます。その間また半年~1・2年。つまり、通常私たちが口にするチョコレートの原料のカカオは、食べるときからさかのぼると、どんなに早くても1年以内ということはほぼ考えられず、通常は2~3年、遅ければ4~5年もザラということです!

あのフレッシュでみずみずしいカカオの実を知っている私としては、なんだか収穫から5年も経ったチョコって魅力的に感じない><一方で、収穫して発酵して乾燥させて、すぐにチョコにすると、なんだかまだフレッシュ感が残っている気がして香り高い気がするんです!

それはひょっとすると気のせいかもしれない。でも、それでもですよ、カカオって採れた国が違えば味も変わるとか、Bean to Bar(ビーン・トゥー・バー:カカオ豆から手作りでチョコを作る製法)がトレンドになってから理解してくれる人も多くなってきましたが、同じ国の、同じ地域の、同じ農家から採れるカカオ豆でも、毎年、収穫毎に味が全然違うことを忘れないでください!そう、ワインが、ボジョレー・ヌーヴォーがそうであるように、ある年のワインはやや甘めで酸味が効いていて、また別の年のワインはコクや深みがあるように!

チョコは年中コンビニでもスーパーでも買えますが、やはり消費が伸びるのはバレンタイン。バレンタインのチョコの原料のカカオは、3~4年前の、しかもいろんな国のカカオ豆を混ぜられたものとしったら、なんか私個人的にはちょっとテンション下がります。

せっかくのBean to Bar製法。やっぱり採れたてのフレッシュなカカオ豆を使いたい!ということで、Dari Kはこの超フレッシュ・チョコレートの開発に乗り出しているのです。また徐々に情報は公開していきますので、是非お楽しみに!